働かないおじさんが生まれる「日本型雇用」の問題

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こんにちは TOMです。

少し前から、働かないおじさんと言うキーワードが話題になっております。若手社員がSNSに「働かないおじさん」のことを「妖精さん」と言って投稿したことで、「うちの会社にもいるいる」と共感を生んだのがきっかけのようです。ちなみに、「働かないおじさん」とは、勤続年数が長く、賃金や役職が高いにもかかわらず、それに見合った働きをしない中高年男性のことを指します。男性中心で社会を回していた世代なので、相対的におじさんが多いことも特徴です。

私自身、異動や転職などで様々な部署に所属しましたが、必ずこの「働かないおじさん」は存在しました。 しかし「働かないおじさん」も若い頃はしっかりと頑張っていたけれど、長い会社生活の中で、何らかの理由があって働かなくなってしまったはずです。

そこで、今回は「働かないおじさん」が発生するメカニズムをご紹介し、バリバリ働いているあなたが同じように「働かないおじさん」にならないように、ご参考にして頂ければ幸いです。

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「働かないおじさん」の定義とは

「働かないおじさん」の定義は大きく分けて、2つになります。

・会社にいるが、何をしているか分からないおじさん

・何かはしているが、売り上げに貢献していないおじさん

まずは「会社にいるが、何をしているか分からないおじさん」についてです。

若手社員が投稿した「妖精さん」とは、この「会社にいるが、何をしているか分からないおじさん」が当てはまるかと思います。

文字通り、何をしているか良く分からないおじさんです、朝パソコンを付けてしばらくネットサーフィンをしたら、ふらっとどこかに消えて、しばらくしたら、またネットサーフィンして一日が終わる。

周りの人には人畜無害ですが、会社からは給料泥棒と言われてもしかたないかもしれませんね。

次に「何かはしているが、売り上げに貢献していないおじさん」についてです。

このタイプの人は、ある程度の役職に就いていてる方が多い印象です。恐らく何かのデータをまとめて(あるいは、データまとめを部下に丸投げして)、上司に報告しているのでしょうが、そのデータを活用して社内を効率化する訳でもないので、特に会社の利益に貢献していないです。基本的にはヒマをもてあまして、部下にムダ話をしたり、思い付きで指示することはあるものの、部下からの報告や相談も、曖昧に受け流す傾向があります。大事な判断から逃げるし、責任を取らないので部下としては困る上司ですね。

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なぜ「働かないおじさん」になったのか?

(1)表面的理由・・・定年を前にモチベーションが下がっている

どんな人でも、入社当時は夢を持って、バリバリ働いていたと思います。特にバブル期に入社した世代ですので、夢も希望もあり、頑張っただけ給料が上がる時代です。

ただ、会社員としての人生を過ごすうちに、自分の成果や努力が認められず、悶々としたり、あるいは、希望しない部署への異動や遠い勤務地への転勤など理不尽さを抱えていきます。

初めのうちは、これを乗り越えれば、良いことがあると信じ頑張り続けるのですが、頑張っても報われないことに気付き心が折れてしまうのでしょう。

そうこうしている間に定年までのカウントダウンが始まると、完全にモチベーションは下がっています。

やるだけ無駄と考え、逃げ切る段階に入っていきますので、最低限の仕事だけ囲い、他の人にタッチさせないようにしてしまうのです。

(2)根本的理由・・・「日本型雇用」の弊害

「働かないおじさん」が生まれる根本原因としては、年功序列賃金、終身雇用と言った「日本型雇用」の問題があります。

新卒入社後は、同期たちと切磋琢磨し互いに励まし合いますが、一定の年齢になると、昇進できない人たちが出てきます。 右肩上りの経済成長を続けていれば、それぞれに見合った役職を付けることもできたのでしょうが、バブル崩壊後の日本経済では雇用を維持するだけで限界でした。

また、会社都合で職場をたらいまわしにされているので、プロフェッショナルな知識を持っていない場合がほとんどです。

たいした役割がなくても、年功序列賃金制度のおかげで年収があまり落ちず、終身雇用制度のおかげでクビにもならない(60歳で定年と言うゴールまである)ので、向上心がなくなり、やがて働かなくなった結果、「働かないおじさん」となってしまいました。

60歳が終着駅の電車に乗って、最初は電車がちゃんと走るよう頑張っていたけど、次第に何もしなくても、電車は走り続ける事に気付き、頑張るごとを止めて、じっと椅子に座って終着駅にたどり着くのじっと待っているイメージです。

従業員を長期的に確保する為に始まった「日本型雇用」、当初はお互いのメリットが大きかったですが、経済が停滞した現在の日本にとって、従業員も企業側もその弊害が出てしまい、その一つとして「働かないおじさん」が生まれてしまったのでしょう。

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「働かないおじさん」を働くようにするには

企業にとって、コストの高い中高年の存在は頭が痛い問題です。希望退職や出向などで、リストラを続けてきてますが、現行の法制度では、働かないことだけを理由に、簡単に解雇できません。

そこで「働かないおじさん」に働いてもらうことを考えるタイミングに来ています。

企業は、「働かないおじさん」に力を発揮できる仕事を与えているか見直し、本人を信じて仕事を任せてみるという取り組みが大切です。

ただ、その世代は経験豊富な分、自ら動くのが苦手です。企業側からの促しかたが重要になってきます。まずは、その人の能力や経験を尊重して裁量を与え、仕事を「任せる」ことです。

ただし、「任せる」際には、「何がしたいのか」と問うのではなく、「こういうことを実現したいので、知恵を貸してほしい」とお願いする方が、力を発揮してくれます。

「働かないおじさん」として、部屋の隅に追いやらず、その人が能力を発揮しやすいきっかけづくりをしていくことが大事です。

最後に

私自身が出会ってきた「働かないおじさん」は、出世レースに破れ、自分の居場所を無くした人たちでした。希望を求めて転職してきた方もいましたが、年下上司と反りが合わず「働かないおじさん」になった方もいました。 今の企業には「働かないおじさん」の居場所がないのも問題の一因なのでしょう。

「働かないおじさん予備軍」にとっては、居場所作り=自分の得意分野を作っておくことが重要になってきます。

上の世代でも管理職になれる人は半分程度ですので、その下の世代はより管理職になれる人材は限られてきます。管理職としての居場所がないとなると、専門性を高めることで、自分の居場所を作るしかありません。 その際、社内だけに通用する専門性ではなく、どこでも通用するエキスパートとしての技能を身につけることで、居場所作りは容易になりますので、お互い切磋琢磨しましょう。

今回の記事を参考に、「働かないおじさん」にならず、幸多き人生にして下さい。私からのアドバイスもできますので、お気軽にご連絡下さい。

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