こんにちは TOMです。
日本人は意思決定に時間がかかると言われていますが、なぜ、意思決定に時間がかかるのでしょうか? せっかくのビジネスチャンスを逃したり、無駄な待ち時間が発生したりと、決定まで時間をかけてもあまり良いことありません。
経営者層の場合、会社の将来にかかわる重大な決断もあるので、慎重になるのも分かりますが、担当者レベルの仕事においても、決定まで時間がかかる事もあり、日本人全体の気質性もありそうです。
今回は、担当レベルでも意思決定に時間かかる理由とその弊害、どうすれば、意思決定が早くなるのかをご紹介したいと思います。
合わせて読みたい
ビジネスにおける意思決定とは何か
日本の企業で働いていると、一つの事をするのに、ものすごく時間がかかった経験は誰しもあると思います。特に急いで判断しなければならない時に決定権を持った人にお伺いを立てるのはイライラするものです。
結果的にタイミングが遅れビジネスチャンスを逃すことにも繋がりますね。
そもそも、ビジネスにおける意思決定とは何でしょうか?
それは、2つ以上の選択を迫られた際に、どちらが合理的かを判断することです。
例えば、営業の担当者が、顧客から「まとまった個数を注文するから割引して欲しい」と言われた場合、決定までに時間がかかれば、ビジネスチャンスを逃すかもしれません。
これが経営者クラスだと、会社が潰れるかどうか場合もあり、意思決定が遅すぎるのは致命的です。
意思決定が遅い理由
経営者から担当者まで、どの階層の判断においても決定が遅い傾向にあります。なぜ、日本人は意思決定が遅いのでしょうか?
理由は大きく2つあると考えています。
(1)権限委譲されていない
1つ目は、意思決定の権限が与えられていないことです
日本の会社は、海外に比べても権限移譲が進んでいないと言われています。その為、何かの判断を迫られた際に自分だけでは判断できず、必ず権限を持った人に確認する必要があります。
極端な例だと、事務所のゴミ箱の向きを変えるだけでも、部長に決めてもらうと言ったこともあります。
これは、日本企業の職務区分が明確になっていない事が原因です。仕事の範囲が明確になっていると、その範囲の中で判断できることはして、判断できない場合に上司に確認を取ればいいのです。しかし仕事の範囲が不明確な日本企業は、上司から部下、部下から後輩へと仕事が流れていく中で、どこまでを誰が担当すると明確にしていないので、指示に無い判断をするケースが出た場合に、後輩から先輩、先輩から上司と判断を仰ぐケースが発生してしまい、意思決定が遅くなってしまいます。
(2)顔色を伺う文化
2つ目は、顔色を伺う文化があることです。
権限を持った人が判断を行う場合でも、「打合せの場を儲けて、全員で議論しよう」とか、「念のため〇〇に確認してから判断しよう」とか、すぐに判断しないケースがあります。
これは、「責任を軽くしたい」「後から○○に文句言われたくない」と言った、気持ちがあるからです。
その為、1つの意思決定において、合意を取るまでに時間がかかることになります。
特に、大きな組織で、様々な部署のメンバーを巻き込む必要がある場合は、全員の予定を合わせるだけで数日かかり、たいした議論もないまま、あたりさわりのない無難な結論にまとまる事が多くあります。
しかも、決定の判断を下すのが、この決定権を持った人だったりするので、無駄な時間ですね。
日本的文化ができた背景
この様な、企業体質になった原因は何でしょうか? それは、「失敗を許さない体質」があるからだと考えています。
長いこと日本企業は「終身雇用」、「年功序列」型の雇用形態を取っています。
出世する為には、華々しい経歴が必要です。経歴の中に「失敗」があると、出世しにくいので「失敗」がないよう着実に仕事を進めていく必要があり、色々な方面の方と調整しながら意思決定していく必要があるので、時間がかかってしまいます。
ただ、どこの国でも調整は必要事項であり、着実に進めていく事が求められるます。それでも日本企業の意思決定が遅い背景には、日本人の独特の気質があります。
それは、他人の足を引っ張り合うことです。日本人は他人が優位に立った際に、引きずり下ろそうとします。それが、一つの企業で定年まで勤める「終身雇用」が当たり前だった時代だと尚のこと、他人を蹴落とすて自分の優位性を保ちたくなるのです。
例えば、新規プロジェクトにチャレンジし、失敗した場合、周囲の人間は「ほれ見た事か!」と、非難するでしょう。また、勇敢な決断に対し、無責任な人間ほど、「リスクを考えたのか?」「失敗の責任は取れるのか?」などと、責め立てます。
そんな体質の日本企業では、意識決定が遅くなるのは当然の事です。
最後に
今回は日本企業の意思決定が遅い理由について、ご紹介しました。
・権限委譲されていない
・顔色を伺う文化がある
これらは、日本人特有の気質が原因です。
仕事の範囲が明確に決まっていない、日本型の働き方の為、決定する権限が与えられず、確認までに時間が掛かります。また、足の引っ張りをする気質があるので、進んで意見しようと言う人間が出てきません。
その結果、他国に比べて、極端に意思決定が遅くなってしまい、最悪の場合、ビジネスチャンスを失うかもしれません。
日本企業の体質を変える為にダイバーシティによる多様な人材の受け入れと自由な意見を言う場を作る必要があります。