失敗を突き詰めるマネジメントは無能である

上司と部下
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こんにちは TOMです。

工場は、年功序列などの古い体質が残る業種です。

現在マネジメントをしている年齢層が、新入社員だった頃は、昭和の働き方全盛期です。

日本の製造業が世界No1と呼ばれていた頃を経験した世代でもあり

・良い物を作れば売れる

・より良い物を作る為に改善する

・更に改善する

と言った、課題を解決する事で物が売れていた頃に若手から中堅社員を経験した層が、マネジメント層になっているのが、日本の製造業界です。

課題解決型マネジメントが、製造業界には溢れています。

そして問題解決型は失敗を突き詰める傾向があります。

この記事を読んでくれている方は、この様なマネジメントしかいない日本の製造業が没落していったのは当然の結果であると感じているでしょう。

物が少なかった時代は、作れば売れていました。

競合が増えても、より良い物を安く作れば売れる時代を経て日本の製造業は世界No1となりました。

しかし物が溢れ返った時代に、この経験が逆に日本を30年間経済成長しないままにしてしまいました。

今回は、課題解決型のマネジメントが何が問題で、30年間経済成長しないままなのか、工場での具体例を交えてご紹介したいと思います。

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問題解決型マネジメントが生まれた背景

問題解決型マネジメントとは、発生した問題に対しどう対応すべきか、自身の過去の経験と勘を頼りに解決策を教えるマネジャーの事です。

戦後の物がない時代は、人々の生活を楽にする為に何が必要かを調べ、それを売る事で企業の利益は増えていきました。

この当時売れた物と言えば、洗濯機、冷蔵庫、白黒テレビと言った3種の神器と呼ばれる生活家電です。

学校で習った気がする

より生活を良くするものとして、自動車、クーラー、カラーテレビが普及し

それから、テープレコーダー、テレビゲームなどの家電が良く売れるようになりました。

家事を助けてくれる物から、生活を便利にしてくれる物、それから余暇を楽しく過ごす物へと変わってきたのが、日本の製造業の成長です。

戦後から平成の初期までは、問題が明確であり、問題を解決する事が企業の成長に繋がっていました。

戦後50年間ずっとこのやり方で成長してきた日本企業は、問題を解決できる人間を評価する体質となっています。

加えて、終身雇用で新入社員から定年までを同じ会社で過ごし、問題解決型のマネジャーを純粋培養する土壌が出来上がってしまいました。

日本の労働慣行は、正に問題解決型マネジメントを生み出すのに適しているね。

こうやって会社を管理運営する立場になれる人間が問題解決型で埋め尽くされた結果

問題解決型マネジメントばかりの会社が溢れかえっています。

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問題解決型マネジメントの何が問題

では、問題解決型マネジメントの何が問題なのでしょう?

物がない時代は、むしろ問題解決型マネジメントが適しており、日本の製造業をNo1にした実績もあります。

しかし、物が溢れ返り人々が物を必要としない時代では、解決すべき問題が少ないのです。

問題解決型の人間が運営している会社が成長しにくい状態です。

日本全体の問題は分かったけど、平社員の僕にはどうでもいいことでしょう。

いやいや、工場の上司が問題解決型だと部下は大変だよ

では、問題解決型マネジメントの何が問題なのか工場での例を交えて具体的に説明します。

問題解決型の上司は、問題が発生したら、水を得た魚のようになります。

開発部だと発生する問題は製品スペックが基準に達しないなど、前向きな物もあると思います。

しかし、工場で発生する問題は、作業ミスなどのヒューマンエラーが多く後ろ向きな問題です。

例えば、作業手順を間違えて不良を作った、物を運搬中にぶつけたり、落下させて不良になった。

など、工場で働く人は心当たりがあると思います。

僕もたまにやらかして、怒られるよ~~

人間が作業する限り、このような問題はゼロにできないでしょう。

しかし、問題解決型上司は、徹底的に対策する事が部下の成長になると思っています。

発生した問題の原因を調査させ、対策を報告させる。

報告内容が甘いと、2~3回やり直しをさせる。

部課長等が集まる場で報告させ、晒しものにする。

こうして半月ほどかけて、当事者を追い詰めて行くのです。

問題解決型上司は、物事を大局的に見れていません。

発生した問題の影響は少なく、再発性も低い場合、時間をかけた対策が無意味な場合がほとんどです。

問題解決型に熱心な人ほど、現場作業を知らないのです。本社から出世の為に工場に来ている上司ほどこの傾向が強いですね。

このような人がいると、ヒューマンエラーなどの問題が起きても、隠そうとします。

その後が、めんどくさくなると分かっていますから。

そうすると問題が見えないまま残され、組織は腐っていくのです。

僕も問題が起きても黙っている事が多いけど、問題解決型マネジメントって怖いね

日本の製造業は、このような組織が多く存在しています。

昨今、ニュースなどでデータの改ざん問題がとりあげらていますが、根本原因は問題解決型マネジメントの影響です。

本当のことを報告すると徹底的に追い詰められるので、隠そうとする。

でも隠した事は大きな問題となって見つかるので、火消しできない状態になっている。

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これから求められるマネジメント像

日本全体の成長として問題解決型だけでは、駄目なことが分かってきました。

では、これから求められるマネジメント像は、どのようなモノでしょう?

それは、課題提案型マネジメントです。

課題提案型とは、「課題=夢」を語り、「解決=実現」する為にはどうしたら良いか一緒に考えるマネジメントです。

例えば、工場の売り上げを1.5倍にして頭の硬い本社の連中を見返してやろう

などの夢を語り

その為に、何ができるか部下と一緒に考え、実現させる。

そうすると、組織のモチベーションは上がっていくでしょう。

最後に

今回は”問題解決型マネジメント”について紹介させて頂きました。

工場に限らず、どの会社でも同じようなマネジャーは多くいると思います。

これからの時代、問題解決型だけでは世界から取り残される企業は多いでしょう。

課題提案型マネジメントが増え、より良い国になって行くことを期待しております。

この記事が工場で働こうと考えている方の参考になれば幸いです。

皆様がより豊かな人生を歩むことを祈っております。

どうしても会社が合わない人は、転職を検討してみるのも良いかもしれません。

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